スーパーフードの宝庫!世界が注目のビューティー&ヘルシーな中東料理
アーモンド・ミルクやフムス、ザクロの実など、最近よく目にする話題のスーパーフードが実は、中東を起源とした食材であることをご存知でしたか?
スーパーフードに限らず、美容や健康志向が高まる中、知らず知らずのうちに中東料理や中東原産の食材に接してる方も多いと思います。
イスタンブールのオスマン宮廷料理の名店「アシターネ」のデザートより、「ローズ・ウォーターのシロップで香りつけした季節のフルーツ入りミルク・プディング」
その歴史は7000年前に遡り、ひよこ豆は現在のイラクからシリア、エジプトに連なる”肥沃な三日月”と呼ばれるエリアで登場し、中東料理に欠かせないオリーブはレバノンで紀元前4000年には栽培が行われていたと伝えられています。このように長い歴史をもつ中東料理ですが、アラビア半島から中東を経て、アフリカの地中海沿岸諸国までと広範囲に渡るため、国・地域ごと、宗教によっても調理法や呼び方が異なります。
まずは、中東地域で広く親しまれている代表的な料理をいくつかご紹介します。
メゼ
中東料理に欠かせない多種多様な小皿料理。前菜や軽食として、ホブス(薄くて丸いパン)や生野菜につけながら、飲酒が可能なエリアではアラックなどアニス風味の蒸留酒やワインと共に食します。代表的な皿は、ひよこ豆とゴマのペースト、フムス(ホンモス)、パセリがメインのサラダ、タッブーレ(タブーリ)、焼きなすとゴマのペースト、ババ・ガヌージュ(ムタッバル)、ぶどうの葉やキャベツで米や肉の詰め物を包んだワラク・イナブ(サルマ)、生肉とブルグル(挽き割り小麦)のタルタル、クッベ・ナーイエ、水切りヨーグルト、ラブネなどがあります。
レバノンで毎年開催されるタッブーレ・コンクールのチャンピオンでもある女性料理家、ジョルジーナさんの料理教室でいただいたメゼ。た~っぷりのevオリーブオイルとレモンを使用した世界一のタッブーレは、爽やかな香りと味でいくらでも食べられる美味しさ。奥のクッペ・ナーイエも絶品でした
ケバブ
中東地域とその周辺国で食べられる肉類をローストした伝統的な肉料理の総称です。トルコではケバブ、アラビア語圏ではカバーブと呼ばれます。角切りにした羊肉を串(シシ)に刺して焼いたシシ・ケバブが典型的な調理法です。重ねた肉の塊を回転させながら焼き、削ぎ切りするトルコ名物ドネル・ケバブは、アラビア語圏ではシャワルマの名前で広く普及しています。他にもつくね系や、トマトソースで煮込んだもの、揚げたものなど、様々なケバブ料理が国や地域ごとに存在します。
イスタンブールのケバブ屋の店先にて。ピリ辛のつくねの串焼き、アダナ・ケバブもシシ・ケバブと並んで人気です
ファラフェル
レバノンのスーパーマーケットで購入したファラフェル・スパイス・ミックスを使い、自宅で再現してみました。戻してすり潰したひよこ豆にパセリ、コリアンダー、スパイス、ごまを入れて混ぜ、揚げた手軽で栄養満点のコロッケです
イスラエルをはじめ中東の定番ストリート・フード。世界中のベジタリアンに愛されるひよこ豆orそら豆のスパイシー・コロッケで、タヒーニ(ゴマ・ペースト)・ソースをつけて食べます。日本でも最近はファラフェルをサンドした”ピタパン”専門店が登場するなど、人気上昇中です。
ショルバ
モロッコのサービス・エリアで食べたハリラ。豆もパスタも肉も入ってるので結構お腹にたまります
アラビア語でスープの意味で、レンズ豆などの豆を羊肉などの出汁で煮たポタージュが一般的です。トルコではチョルバと呼びます。ラマダン中の食事の最初に飲まれ、モロッコでは数種の豆にパスタが加わった具沢山スープハリラが定番です。
バクラヴァ
イスタンブールのお菓子屋にて。伝統的なものはピスタチオやクルミが用いられます
マラケシュの老舗ペストリー屋にて。一見お菓子屋さんに見えないエキゾチックな店内のインテリアも魅力的でした
何層もの薄いパイ生地の間にナッツを挟み、バラ水などで香り付けした濃いシロップをかけた中東地域を代表する甘いお菓子です。お祝いをはじめ、年中人が集まる時には必ず出され、老若男女問わず好まれるお茶菓子です。
中東料理の魅力は美容や健康にいいだけでなく、地中海料理とアラブ料理がミックスしたエキゾチックな香りや味の組み合わせ、さらに、鮮やかな見た目も女性にはたまりませんよね。美のトレンド・フードとして話題になるのも納得です。
スーパーフードからでも中東の滋味豊かな料理に少しでも触れていただき、この地域をより身近に感じるきっかけとなればうれしいです。
更新日:2015年5月12日
【記事執筆】
おきよし