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エスニック好きが注目するマレーシアの料理の人気ベスト3

アジア料理の注目株。魅惑のマレーシア料理に迫る

アジア料理ってどれも似たような味でしょ、と思っているあなた。私も数年前まではそう思っていました。でも食べ比べてみると、辛さの質だったり、スープのコクだったり、よく使われる食材の種類だったり、国ごとに様々な違いがあるのです。今回は、個性的な食文化をもつマレーシア料理の人気ベスト3を紹介します。

マレーシアで一番ポピュラーな料理「ナシレマ」

ナシレマは、ご飯、おかず、ソースが一皿に盛られていて、全部を混ぜながら食べる料理。おかずの種類によって値段が異なり1皿で200~400円(写真提供:かおりさん)

 

多民族国家マレーシアは、民族ごとに食文化が異なり、非常に多彩なグルメがひしめきあっています。そのなかで、民族を問わず、断トツで人気No.1なのが「ナシレマ」です。「ナシ」は米、「レマ」はココナッツミルクの意味を持ち、ココナッツミルクで炊いたごはんのことを「ナシレマ」といいます。キュウリ、煮干し、卵、ピーナッツといったシンプルな具とサンバルソース(辛味調味料)がセットになった料理です。ほのかに甘い香りがするココナッツミルクごはんと、甘辛のサンバルソースが絶妙なんですよね~。鶏の唐揚げ、羊の煮込みなどのおかずを足して、自分だけのナシレマにカスタマイズをすることもできます。

 

気軽にお持ち帰りナシレマ。ビニール袋にバナナの葉を敷き、その中にナシレマをつめてくれる

 

お持ち帰り用のナシレマを開いたところ。手軽なお弁当のような存在。包みを開くときは、サンバルソースが服につかないよう慎重に

百花繚乱!マレーシアのご当地ヌードル「ラクサ」

ラクサとは、サンスクリット語で“多数・幾千の”という言葉が語源といわれ、様々な種類がある。これはクアラルンプールで食べられているカレーラクサ

 

次に紹介するのはマレーシアで人気の麺料理「ラクサ」です。マレー半島の北から南、ボルネオ島まで、ほぼ全域で食べられている麺料理ですが、地域ごとに色んな味があるのが特徴。日本のラーメンが、味噌、醤油、とんこつと地域ごとに違い、九州出身の人は「ラーメンといえばとんこつたい!」と主張するのと同じで、マレーシア人もみな故郷のラクサをこよなく愛しています。

マレーシア全土を見渡すと、かるく10種以上はあるラクサですが、まずここでは「アッサムラクサ」と「ニョニャラクサ」の2種をおさえておきましょう。
 

マレー半島の北西に位置するペナン島を中心に、マレー半島北部で「ラクサ1杯!」と注文すると、この「アッサムラクサ」が提供される


「アッサムラクサ」は、魚でダシをとり、酸味と辛味を加えたスープ麺です。サバやアジなどの青魚の身を細かく砕いてそのままスープに入れるので、とろっとした食感が特徴。酸味は柑橘系の果物の皮、辛味は生の唐辛子を使っています。みょうがに似た香りをもつ花びらとミントの葉をのせてさっぱりと。爽やかでキレのある味です。

 

マラッカの名物麺「ニョニャラクサ」。唐辛子の辛さはひかえめだが、レモングラス、シナモンなどのスパイスをたっぷり効かせている(写真提供 菜穂子さん)

 

「ニョニャラクサ」は、海老のダシがきいたカレー麺。ココナッツミルクでとろみを加えたスープが麺にしっかりからまり、濃厚な味が楽しめます。食べる直前にスダチに似た「リマウ」の実をギュッと絞れば、辛味・旨み・酸味の3つの味覚が口のなかでスパーク! 魚のすり身、海老、油揚げ、ゆで卵、千切りキュウリなど、具だくさんのラクサです。

家族や親しい友人と囲む鍋料理。漢方スープの「バクテー」

豚肉を漢方スープで煮こんだ料理「バクテー」。中国系マレーシア人に人気の料理

 

最後は「バクテー(肉骨茶)」です。バクテーとは、マレーシア発祥の中国系の料理で、常夏で暮らすマレーシア人のスタミナ源。八角、シナモン、当帰、熟知黄など10種以上の中国漢方の煮出したスープで、豚肉を煮込みます。漢方効果で豚肉はとろとろにやわらかくなり、さらに、豚の甘みがしみだしたスープが絶品! お茶漬けのようにご飯にしゃばしゃばかけて食べるのが現地流です。街を歩いていて漢方の香りがぷ~んと匂ってくる場所があれば、そこはバクテー店のすぐ近く。店を覗けば、円卓の中央にバクテー鍋がドンとおかれ、家族や友人たちのグループで鍋を囲んでいる姿を見ることができるでしょう。

 

バクテーはマレー半島南部にあるクランが発祥の地。ここでは、豚肉の部位ごとに別皿に盛られたセパレートタイプのバクテーが味わえる


今回紹介したピリ辛ごはん、スパイシーヌードル、薬膳スープの3種。これらの料理に共通しているのは、味の“うまみ”です。どのマレーシア料理にも辛さのなかにやさしいうまみがあり、初めて食べてもなんだか懐かしい気がします。味覚の共通点を感じるマレーシア料理をぜひ味わってみて下さい。

 

更新日:2015年03月17日

 

【記事執筆】
All About マレーシアガイド 古川 音

 

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