バリ島で絶対食べたいグルメ3【インドネシア】
バリ島に旅行をするならば、せっかくだからバリ島ならではの食事がしたいもの。バリ島に来たかいがあったと思わずにいられない食べ物を3つ紹介したいと思います。
宗教儀式で供え物として捧げられるバビグリン
バビグリンとはインドネシア語でバビ(豚)がグリン(丸焼き)されたもの、ブタの丸焼きの意味になります。バリ島はヒンドゥー教の島。数々の重要な儀式で神様への供物として豚の丸焼きが捧げられます。豚の丸焼き作りは、村の男達が生きた豚を屠殺するところから準備が始まります。血を抜き、毛を焼き、内臓の処理をしてから丸太棒で突き抜き、火の上で何時間も転がしながら、中身までじっくりと焼きます。
供え物として捧げた後は解体して食べますが、儀式の時の特別な食べ物として、バリ人も大好きな食べ物です。この豚の丸焼きはワルンと呼ばれるローカル食堂でも食べることができます。ガスコンロで焼くのではなく、儀式の時と同じ用法でじっくりと焼き上げるので、肉はジューシーで皮はパリッとした仕上がり。店頭に豚の丸焼きをそのままのせて、切り分けて売る店もあります。
外国人が気軽に食べることができる有名店がウブド地域にあります。ウブド王宮の斜め正面にある「イブオカ」というワルンです。昔からの老舗でバビグリンの代名詞にもなるほど名前を知られています。改装されてからは、旅行者でも心配なく食事ができる店内の雰囲気で、見た目はレストランかと思うほどの店になりました。
バビグリン専門のワルンで売られる価格は日本円で約250円前後が相場ですが、イブオカのバビグリンは日本円で約500円と断トツの高値になっています。それでも人気が衰えないばかりか、店がきれいになって、支店も増え、海外、国内旅行者の利用が増えているようにも思えます。イブオカの美味しい店は他にもたくさんありますので、ホテルのスタッフや担当の旅行ガイドさんなど現地の人に遠慮なく質問して案内してもらうとよいと思います。
ジンバランビーチで食べるシーフード・バーベキュー
バリ島での思い出作りとして、おすすめしたいのが、ジンバランビーチで食べるシーフードバーベキューです。シーフードバーベキューはイカンバカールなどとも呼ばれますが、イカン(魚)をバカール(焼く)して、サンバルと一緒にいただくスタイルです。ジンバランビーチは夕日観賞の名所としても有名です。
バリ島の夕日は夕方6時過ぎくらいから始まります。目の前の広々とした海、大きな空に沈む夕日を目の前に見ながら、いただく食事は格別のシチュエーション。お店ではアラカルトで自分で素材を選んで焼いてもらうスタイルと、あらかじめセットになったメニューを選ぶ2通りがあります。ジンバランビーチには多くのシーフードバーベキューが並んでいます。信頼できる旅行会社などを通して予約をするのが初心者にはベストです。
その日によって仕入れる素材は異なるようですが、魚の他にイカ、カニ、エビ、貝、ロブスターなど新鮮な素材を選び、重さによる量り売りになります。あれこれ選んで、ビールも飲んでだいたい予算は一人2000円~3000円くらいですが、ロブスターも食べるとその倍くらいの値段になるでしょうか。セットメニューだと、小振りの250gくらいのロブスターもつき、あれこれ食べて約3000円くらいなので、少人数の場合や女性などはセットメニューが良いかもしれません。焼きたてのシーフードには店で用意された3~4種類ほどのサンバルと呼ばれるソースをつけて食べます。料金にはご飯、カンクンという野菜を炒めたもの、デザートなども含まれています。
絶景の夕日と新鮮で美味しいシーフードバーベキュー、バリ島滞在の最終日に最後の思い出作りとして訪れてもよいですね。
ひと言では語ることができないナシ・チャンプル
ナシ・チャンプルはナシ(ご飯)にチャンプル(いろいろと混ざる)の意味で、一皿にご飯がまず盛られ、その周りにはいろいろなおかずが一緒に添えられる一皿料理のこと。一括りにできないほど、いろんなナシ・チャンプルがバリ島にはあります。ワルンという屋台あるいは地元の人が利用する食堂風の店にしても、店主がジャワ人ならジャワ風に、バリ人ならバリ風になり、おかずも味付けも異なります。
またホテル内のダイニングや町中の旅行者が利用するナシ・チャンプルとなると、同じナシ・チャンプルとは思えないほどの料理になります。旅行者としてバリ島を訪れるうちにナシ・チャンプルが好きになってしまうと、噂を聞いてあれこれ試してみたくなり、気がついたらバリ島旅行のリピーターになっていたなんてことも冗談ではなくあるようです。ワルンで食べるナシ・チャンプルは日本円で約250円前後。辛さの刺激に慣れてくるとやみつきになる美味しさです。
ジンバランの市場前にある「ワルン・バリ」のナシ・チャンプルは豚肉が中心です
大雑把に分類するとバリ風のナシ・チャンプルは豚肉を使ったおかずが入ります。甘辛く煮込んだ豚肉、三枚肉をカリカリに揚げたもの、豚肉のサテ(サテは肉を串に刺して焼いたもの)などが少しずつお皿に盛られます。トゥラシというエビを発酵させたペースト状の調味料も隠し味になっているようです。
サヌール地域にあるワルンの鶏肉中心のナシ・チャンプル
ジャワ風のナシ・チャンプルはイスラム教徒の食事情から、豚肉は使われません。鶏肉が主なおかずになります。辛いけど甘みもかなりあるサンバルの味付けでココナツ風味が強いこともあります。
ウブドのプリアタン地域にあるワルンの鶏肉と豚肉両方が入っているナシ・チャンプル
バリ人がオーナーの人気の美味しいワルン「テゲス」はプリアタン地域にあります。鶏肉と豚肉両方が入っています。バナナの葉っぱの器がバリ島らしいですね。
ウブド地域で有名なお店「ナシ・アヤム・クデワタン」は一つのメニューだけなのに、連日ローカル客で満席です
ワルンと呼ばれる店で食べるナシ・チャンプルの注文は「チャンプルでお願い」と注文するのみです。苦手な食べ物があったら除いてもらったり、追加して好きなおかずを加えることもできます。1つだけの、ナシ・チャンプルメニューだけが売られている店がたくさんあります。
サヌール地域にある自分でおかずを選ぶことができるナシ・チャンプル。最後に価格カードをもらいます
ショーケースにおかずがずらりと並び、自分で食べたいおかずを選び、最後に値段を店のスタッフに決めてもらうシステムもあります。あれこれと指差して指示するだけなので、言葉が通じない旅行者でも簡単に注文ができます。値札を最後にカウンターで清算するだけです。サヌールのバイパス沿いにマクドナルドがある交差点をデンパサール方面に向かって曲がり、200メートルほど左側にあるワルンKKNがそのシステムです。観光途中で立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
ウブド地域にあるカフェ・ワヤンのナシ・チャンプル
旅行者の方であんまりお腹に自信がない場合、ワルンでの食事は避けた方が無難。スパイシーな調味料でお腹がびっくりしてしまうこともあるようです。旅行者が利用するようなレストランにもインドネシア料理のナシ・チャンプルのメニューがあります。辛さ控えめでマイルドになっているので辛い味が苦手な人でも心配がないと思います。価格はまちまちですが、日本円で1000円前後くらいになるようです。あれこれと食べてみたいインドネシア料理ですが、おかずの種類が多いナシ・チャンプルを注文すれば、まず間違いないと思います。
バリ島おすすめの料理はいかがでしたでしょうか? 他にも紹介したい食べ物がいっぱいありますが、旅行者が比較的簡単に出会うことができて最もバリ島らしい料理を選んでみました。旅の参考にしていただければ幸いです。
【記事執筆】
All About バリ島ガイド プトゥ・ヒロミ