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栄養摂取はかき氷から?! アイスカチャンvsチェンドル 【マレーシア】

1年365日ずっと暑い気候のマレーシア。暑い日に食べたくなるおやつといえば、かき氷!日本にも色んなかき氷がありますが、マレーシアのかき氷の種類の多さとゴージャスっぷりといったら!もう凄いんです。今回は、マレーシア“かき氷界”の二大巨頭、アイスカチャンとチェンドルを紹介します。

栄養満点のかき氷、アイスカチャン

アイスカチャン
アイスカチャン。豆、仙草ゼリー、コーンなどの多種の具がのっていて、腹持ちもいい

 

カチャンとはマレーシア語で豆のこと。豆入りのかき氷のことをアイスカチャンといいます。豆は、小豆、ひよこ豆、金時豆、白インゲン豆、ピーナッツなどの中から2~3種たっぷり入っていて、なんとなく冷たいぜんざいにも通じる味。

 

さらに、具だくさんのアイスカチャンに欠かせないのが、コーンです。かき氷にコーン?!と驚くかもしれませんが、これが意外や意外、とても合うのです。口の中で弾ける自然なコーンの甘味が実に爽やか。コーンを潰して練乳を加えた甘いコーンクリームもあり、これもかき氷にぴったりです。そこに、植物を煎じて固めた漢方系の仙草ゼリーをとろりんとかければ、アイスカチャンの完成。真黒な仙草ゼリーは、カラフルな色のアイスカチャンの引き締め役。ちゅるっとやわらかな噛み心地で、味の深みを増してくれています。

 

 

アイスカチャン
単にシロップのかかったかき氷かと思いきや……

 

 

アイスカチャン
氷の中から具がザクザク出てきた!まるで宝探し

 

ところで、アイスカチャンはおいしいだけではありません。実は栄養価も高いんです。豆はタンパク質、コーンはビタミン、仙草ゼリーは熱毒の解消に効果があるといわれています。もしかするとマレーシア人は、アイスカチャンを食べながら体に必要な栄養分もしっかり摂取しているのかも。お疲れ気味のときにも、アイスカチャンはおすすめです。

 

 

アイスカチャン
宇治金時やシロクマにも豆は大事。日本のかき氷にも共通点のある味

グロテスクな緑のゼリー、チェンドル

 

チェンドル
チェンドル。中央にのった緑色のゼリーは、緑豆の粉と米粉に、天然のハーブから煮出した緑色のエキスを混ぜてつくる

 

次に紹介するのは、チェンドルです。注目して欲しいのは緑色のゼリー。今にも動き出しそうなグロテスクな形状で、決して食欲をそそるようには見えませんが、これがマレーシア人の大好物。味は無く、茹でたての枝豆のような香りと、ところ天のようなつるっとした食感を楽しみます。このゼリーが入っているかき氷のことをチェンドルといいます。

 

 

ペナンのチェンドル
ペナンの有名屋台のチェンドル。ゼリーが細長いのがこの店の特徴。1.5リンギット(約50円)で販売

 

チェンドルには、ゼリーのほかに、小豆餡と椰子砂糖を溶かした黒蜜、そこにココナッツミルクがたっぷりかかっています。ココナッツミルクのまろやかな甘味が、1度食べるとやみつきになるのです。以前はマラッカやペナンで食べられていたご当地かき氷でしたが、最近ではクアラルンプールでも提供する店が増えています。

あせらない。氷が溶けてからが本番

 

チェンドル
屋台によっては自分で具を選ぶ場合があり、ゼリー、ピーナッツ、コーンを追加。食べていると氷の中からチェンドルが出てきた! 4.8リンギット(約168円)

 

さて、最後にマレーシア流のかき氷の楽しみ方を2つ伝授しましょう。まず1つ。氷が溶けてもあせらないこと。暑いマレーシアでは、みるみるうちに氷が解けていきます。でもあせっちゃダメです。むしろ溶けていいのです。いうなれば、かき氷というよりも、具の入った冷たい飲み物として味わうのがマレーシア流。ゆったり楽しみましょう。

 

2つめは、見た目に左右されないこと。マレーシアのかき氷は、カラフルなシロップがまるでピカソの油絵のごとく、ゼリーはまるで虫のように、氷にふりかかっています。見た目は仰天、でも、味は最高! あなたの感性を信じて、かき氷の正体を見極めるべし。様々な味と食感を1度で味わえるマレーシアのかき氷を味わってみてください。

 

写真協力:ウシゾーさん

 

更新日:2014年12月03日

【記事執筆】
All About マレーシアガイド 古川 音

 

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