朝食やおやつに! バリ島のお粥「ブブール」【インドネシア】
地元では「ブブール」は午前中に食べるもの?
バリ島で、朝食やおやつがわりに食べている「ブブール」を紹介します。
「ブブール」とはお粥のことですが、バリ島ではお米から煮出したお粥の他に豆を使ったお粥もあります。
地元の人が食べている「ブブール」は朝から昼頃まで「カキリマ」と呼ばれる移動式屋台で販売しているものがほとんどです。「カキリマ」とはインドネシア語で5本足の意味ですが、手押し車の屋台には大きな2つの車輪と補助輪のような車輪が1つあり3つの足、そしての手押し車を押す人間の足が2本で合計5つの足なのだそうです。カキリマは人間一人が押し歩いて移動できる屋台なので、狭い路地でも商品を売り歩くことができます。
毎日おおよその歩くルートと時間は同じらしく、家の前にやってきたカキリマを呼び止めてその場で食べたり、あるいはビニール袋に商品を入れてもらって「ブンクス(包むの意味)」にして自宅で皿に移し替えて食べたりしています。
カキリマはブブールだけでなく、バッソ(肉団子つみれのスープ)、ルジャッ(甘辛フルーツサラダ)、ゴレンガン(揚げもの色々)、ソト アヤム(鶏肉のスープ)、ミーアヤム(鶏肉のスープそば)、エス・チャンプル(果物のかき氷)など、いろんな種類の食べ物を売り歩いており、売り子さんを呼びとめれば、すぐになんでも食べ物を購入できるシステムです。一昔前の日本みたいですね。
ブブール・アヤム
ホテルの朝食などでも給仕されるので、ああ、あれがそうかと思い出す方もいるかもしれません。「アヤム」とは鶏肉の意味で鶏肉のスープで作ったお米のお粥のことです。
ホテルのブブール・アヤムはシンプルなお粥にソースなどはお好みで、上に刻みネギなどを乗せて食べる仕組みですので、中華系のお粥と変わらないスタイルです。地元の人が好んで食べるカキリマ屋台のブブール・アヤムは、お粥の上に黄色い色の辛めのスープをたんまりかけて食べます。とろみかかったスープはしっかりと味がついているので、わりと食べごたえがあります。値段はカキリマで買うと日本円で60~100円くらいです。
バリ島では「ブンクス」にすると熱い食べ物でもなんでもビニール袋に入れてくれます。破れないかと心配になりますが、意外ですが手軽に汁物を持ち帰ることができます。ちなみに今まで袋が破れた経験はありません。
ブブール・カチャンヒジョー
「カチャンヒジョー」とは「カチャン」豆の意味と「ヒジョー」緑色の意味で緑豆のこと。甘く煮込まれた日本のあずきに似た味です。
緑豆の他に黒豆、「カチャン・ヒタム」もあります。温かい豆のお粥に甘いココナツシロップをかけて食べるのが一般的です。子供が好きなブブール・カチャンヒジョーには「ビジク」と呼ばれるカラフルなタピオカゼリーが入っています。値段は日本円で50円くらいです。
豆のお粥は市場などでは見かけますが、海外からの観光客が食べるレストランでは見かけない食べ物です。レストランで唯一あるとしたらブブール・インジンという黒米のデザートです。甘く煮た黒米に甘いココナツシロップをかけて食べます。優しい甘さで食事というよりはおやつに近い感覚で朝に食べるものです。バリ島の人々は朝食代わりに甘いココナツ菓子などをバリ・コピと一緒に食べる習慣があります。血糖値をあげるということなのでしょうか?
シガラジャ名物ブブール・ジャグン
「ジャグン」とはトウモロコシのこと。甘いトウモロコシが入った塩気と甘みのあるお粥です。
北部のシガラジャ地域ではポピュラーな食べ物ですが、バリ島全土ではあまり知られていないマニアックなブブールです。
これも滅多に観光客の目に留めることはない食べ物ですが、遠方のシガラジャ方面に出向くことがあったら、リクエストしてみてください。一般家庭の食べ物ですが、喜んで振る舞ってくれると思います。
【記事執筆】
All About バリ島ガイド プトゥ・ヒロミ