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ミシュランも認めたタイ料理界が誇るスターシェフの店/ナーム

世界で1番有名なタイ料理シェフ、デイビッド・トンプソン氏のレストラン

ナームのマーホー
『ナーム』のシグネチャーメニューのひとつである、マーホー。酸味と甘味のある瑞々しいフルーツに甘辛い餡をのせていただく、伝統的なタイの前菜

 

「バンコクを訪れたら絶対に行くべきレストランは?」。よく受けるこの質問に対するわたしの答えはひとつ、ここ『ナーム』です。こちらを率いるのは2002年、ロンドンにあった同名のレストランでタイ料理店として世界初となるミシュランの星を獲得したオーストラリア人シェフ、デイビッド・トンプソン氏。

2010年、バンコクにも同店をオープンすると外国人シェフというハードルを軽々と飛び越え、あっという間に予約の取れない人気店へ。2014年にはシンガポールで発表された「アジアのベストレストラン50」において東京や香港などの並みいる名店を抑え見事1位に輝き、名実ともに“世界一のタイ料理シェフ”としての地位を確固たるものとしたのです。

 

鮮やかで刺激的! 食材の味と香りをとことん生かす“伝統的なタイ料理”

ナームのヤムタックライ
レモングラスのサラダ、ヤムタックライ。爽やかな香りの中にコクと甘味が感じられるこちらのヤムタックライは、ココナッツミルクがベースとなったタイ南部風のスタイル

 

オーストラリア人が作るタイ料理、と聞くとフュージョン料理を想像するかもしれませんが、シェフがとことんこだわっているのは、“伝統的なタイ料理”。約3年間にわたりタイ各地を巡り身に付けた現地の味を忠実に再現するため、バンコクでは手に入れにくいハーブなども積極的に取り入れているのは有名な話。また古書店で100年以上前の文献を収集し、タイ人でも知らないような古典的なメニューを研究、提供しているとあり、本物のタイ料理にこだわる方にこそ味わってほしいメニューが揃っています。

そんなメニューのひとつが、1枚目の写真のマーホー。古典的なタイ料理でありながら以前は食べられるレストランがほとんどなかったのですが、当店の人気から一般的なものとなり、今では多くのタイ料理店がこの料理をメニューに加えています。ハーブの香りや野菜の食感、魚や肉の甘味や旨みなど、食材の魅力を存分に生かした鮮やかで刺激的な味わい深いタイ料理を提供してくれることに加え、このようにバンコクのタイ料理界に大きな影響を与えたことも、シェフの大きな功績のひとつではないでしょうか。

 

外国人スターシェフが生んだ、バンコクタイ料理界の新たな潮流

ナームのゲーンペットガイ
ハーブの香りと刺激的な辛さが後を引くチキンのレッドカレー、ゲーンペットガイ。『ナーム』で食事をする際に気をつけたいのがその辛さ。本場の味=本格的な辛さにもこだわっているので、自分の好みをしっかりと伝えてメニュー選びには留意を

 

飽くなき探究心を持ってタイ料理研究に取り組むミシュランシェフの姿勢は、若いタイ人シェフにも少なからず影響を与えたよう。実際、バンコクのタイ料理店で取材をしていると、「古いタイ料理レシピを研究している」「昔ながらの材料と手法にこだわっている」「地方のハーブを取り寄せている」などと語るシェフが『ナーム』オープン以後は格段に増え、そのようなコンセプトを掲げる新店も続々と開店しています。 味にうるさいバンコクのセレブたちから多大なる賞賛を得ただけではなく、バンコクにおけるタイ料理界の流れにまで影響を与えたデイビッド・トンプソン氏。真のエスニックマニアなら屋台や食堂で味わえる庶民的なストリートフードだけではなく、世界が認めたスターシェフが作る“本物のタイ料理”も、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。

 

ナームの店内
すっきりと洗練された店内で、落ち着いて食事を楽しめます。プールに面した店内は、静謐な空気が溢れる大人の空間

 

nahm(ナーム)お店情報

所在地 Metropolitan by COMO, Bangkok 27 South Sathorn Road, Tungmahamek, Sathorn , Bangkok
TEL 02-625-3333
営業時間 12:00~14:00、19:00~23:00
定休日 なし
アクセス MRTルンピニ駅よりタクシーで約5分
 
更新日:2015年02月24日
※内容は、記事公開時点の情報です

 

【記事執筆】
タイ料理ライター 白石 路以

 

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